フランスは田舎が美しい! その9 リヨン

 6月1日
 リヨンの朝はひんやりとした空気に包まれていた。
5月25日に始まったこの旅はほぼ半分を過ぎたことになる。
いままで巡礼路、ロマネスク美術、城塞など中世の雰囲気
に浸って過ごしてきたけど、ここでちょっと気分を変えて、
美食の町リヨンに3日間滞在だ。

 この町にはローヌ川とソーヌ川という、2つの大きな川
が流れていて、川岸の景観はゆったりとした感じで、
とても美しい。心癒される風景だ。
 
 ところで、今回の旅は大きな川が流れている街を数多く
訪れた。トゥールーズのガロンヌ川、カオールのロット川、
美しい村々があったドルドーニュ川。そして、アルビの
タルン川、カルカソンヌのオード川。
 出会った川はすべて中流域ながらも、どの川も水量豊か
でとうとうと流れ、かつ中世の街並みを川面に写していた。
日本ではお目にかかれない思い出深い風景であった。

             ローヌ川
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             ロット川
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             タルン川
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 今日はスイスに近い避暑地、アヌシーにOne day tripの
予定だったが、昨晩確認したアヌシーの天気は曇り。
フロントのマドモアゼルの「明日は快晴よ」の言葉を
信じて、アヌシーへは明日出かけることにした。
 よーし、きょうはリヨンを思う存分楽しむぞー!
何しろ食の都と言われているんだもの。
きっとおいしいことが待っているはず。

 ホテルを出て、ソーヌ川沿いを北の方に歩き始める。
川向うの正面にはフルヴィエールの丘がそびえ、その丘の
頂上にノートルダム・ド・フルヴィエールバジリカ聖堂が
白い石壁を光らせて建っている。
 聖堂の塔の上には、青銅色の大天使ミカエルが町を
見守っているかのような姿で、こちらを向いている。

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 その丘の麓辺りが旧市街と呼ばれているところで、
サン・ジャン大司教教会、サンポール教会などがある。

 ソーヌ川沿いの広場ではテントを張って、食料品や日用品
などを売る朝市が始まっていた。
 川面を渡ってくる風が心地いい。でも、この涼しさは薄手の
セーターが欲しいくらい。
 
 ここリヨンは、昨日までのミディ・ピレネー地方より200キロ
以上、北にある。北海道の稚内より北になる。
 そう言えば、昨晩の夕食時、地元の人たちは皮ジャンや
セーターを着ていたなあ。
 リヨンは大都会だが、このひんやりとした空気に感激。
まず、肌でリヨンの朝を感じた。

 橋を渡って、川の向こう岸に行く。そこにはマロニエだと
思うが、等間隔に道の両側に植えられ、新緑の美しい並木道
となっている。アー、すがすがしいなあ!
ジョギングしたり、犬の散歩をする人とすれ違う。

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 サン・ポール教会まで行ってUターン。地図によれば、
サンポール駅横の路地はフルヴィエールの丘に続いている。
ここにはケーブルカーもあるが、自分の足でその土地を歩き、
五感で感じる旅をすることをモットーにしている私たちは歩いて
丘に登ることにする。

 しかし、何とその道というのは階段だったのだ。
蔦のからまる石塀が続く、緩やかな階段だが、私たちには
途中の休憩が必要。段数を数えていったら、
フ~ 800段もあった。
 丘の頂上に着いた頃にはもうくたくた!
でも、リヨンご自慢のフルヴィエールの丘を足腰で感じた
瞬間だった。

 バジリカ聖堂は工事中で、残念ながら塔の上の展望台には
上れなかったが、この裏手に回ると、そこは絶好の展望台。
そこからは世界遺産の旧市街の町並み、ソーヌ川、新市街、
ローヌ川と、リヨンの町全体が見わたせた。

 2つの川沿いの並木の緑、川のブルー、屋根瓦のオレンジ色
がかった茶色、淡いトーンの壁の色と、それぞれの色合いが
美しく、すばらしい景色だ。

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 聖堂をあとにして、坂道を下っていく。青空も広がり、
さわやかで気持ちがいい。鳥の美しいさえずりに思わず
足を止めてしまう。すぐそこにいるようだけど、姿は見えない。
何という鳥かしら。何て美しい、澄み切った声なんだろう。
そんな空気に包まれると、私の歩みも自然と軽快なテンポに
なってしまう。

 聖堂から少し丘を下ったところに、紀元前43年に建造された
というローマ劇場がある。石でつくられた階段状の観覧席も
そのまま。いまでもコンサートなどに使われているようだ。

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 ユリウス・カエサルは紀元前58年のガリア遠征1年目にリヨン
を通過しているが、それからわずか15年後にこんな立派な劇
場を造ったことになる。
 もうひとつ、紀元前43年はカエサルが暗殺された1年後のこ
とで、ローマ帝国は混沌としていた時だ。にもかかわらず、これ
だけの文化施設を造ったローマ人のすごさを身体全体で
感じた。

 フルヴィエールの丘の中腹の道をサン・ポール駅の方に
下っていくと、建物と建物の間の急な、狭い階段を見つけた。
下っていくと、旧市街へ出られた。
 ここにはイタリアルネッサンス様式の建物が並び、落ち着いた
雰囲気だ。レストランやカフェの集まっているSt.Jean通りで、
リヨン独特のギニョールという指人形や操り人形が飾られてい
るのを見つけ、その動きにしばし見とれてしまった。

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 また、ここリヨンにはトラブールという、不思議な通路がある。
アパートと思われる建物の入口に入ると、すぐに中庭のような
場所に出る。その先にまた別の通路があり、それをたどって
いくと、別の道に抜けられるようになっている。
 明かりが届かない暗い通路ではスイッチを自分で押して、
足元を照らし、通路を出るときには消していく。
何だか遊び心のある、不思議な空間で楽しい。
 絹織物の生産が盛んだった頃に、品物を雨で濡らさないよう
に、こういう道を利用したとか。

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 街歩きをした後、カフェでランチ。何か名物をと思い、
リヨン風サラダとリンゴジャムのクレープにした。
サラダを注文しても、フランスでは大体フランスパンが出て
くるので、軽い食事にしたいときはサラダと飲み物だけで
十分だ。
 リヨン風サラダにはポーチドエッグ、ベーコン、クルトンが
入っていて、ボリュームのあるサラダだった。

 いったんホテルに戻り、たまっていた洗濯を済ませ、
ひと休み。夕食に出かけるまでのんびり過ごした。


 夕方、新市街地に行ってみた。ブティックやレストランなどが
並んでいる通りはどこにでもあるような感じだが、リヨンは
レストランだけが並んでいる通りが数多くある。美食の町と
言われるだけあって、超高級なお店から、庶民的なお店まで
さまざま。料理の内容もいろいろ。

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 店先に立てられているメニューを見て、あそこがいいかな、
こちらのほうがいいかなと迷いつつ、今夜の食事はベルク
ール広場に近いレストラン街のシーフードレストランに
決めた。

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 そのお店の入口には大きな魚の絵が描かれていて、
柱や窓などもおしゃれ。中に入ると貝殻や網なども飾られ、
浜辺につくられた海の家に来たような雰囲気に浸れる。
 今夜のメニューはサンジャック(帆立)のにんにくソテー、
海老のソテー、シーフードサラダに白ワイン、デザートは
アップルケーキ。
 久々の魚介類が新鮮でおいしかった!
日本人の舌に合うような、やさしい味つけだった。

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この記事へのコメント

Emi
2009年08月04日 10:29
先日メールいただいた、souvenirサイトの者です。
想像はしていましたが、ほんとに素敵な旅ですね~!
羨ましいです~。私もまた行ってみたいです。

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